弥山凌ハーフロックタイム

〜凌の気ままな日常〜

ウイスキーをハーフロックで グラスにウイスキーと水を半々に注ぐ 度数も下がって程よく酔っ払う そんな気分で… いくつになっても夢追い人、演者 弥山凌(ミヤマリョウ)の、取り止めもない、よもやま話を今夜も聞いてもらいましょう。

地球の重力から逃れたら(2)

深圳 富士日本料理店があった場所

 

Episode 017

お店には、毎週発行する『富士ニュース』
を楽しみにする常連さんが沢山いました
あの頃深圳に住む日本人にとっては
話題が少なかったですからね
話題と言えば、
ゴルフか、大河か、KTVか!
誰それが、ホールインワンをやったとか、
今年の大河は、面白くないねとか、
〇〇商事の総経理が、西武の最上階にあるお店のNo. 1と付き合ってるとか

そんな環境でした

宗さんは、見た目がやっちゃん風で
一人で何度か店に来てくれてましたが
この人には声をかけてはいけない
と思い込み接客をせずにいました

ある日宗さんに声をかけられました
「この新聞面白いね」

お名前を尋ねると
名字が『宗』で、五島列島の出身
関西外大で語学を学び
貿易の会社に勤めている会社員でした

そのお話を聞いても
会社員には、見えなかったですが

それから付き合いが始まり
女の子のいるKTVに行ったり
僕が得意だったボウリングに行ったり

2004年6月に彼が上海に移ったら
その1ヶ月後に僕も上海に移り住み
2005年6月に彼が深圳に戻ったら
その1ヶ月後に僕も深圳に戻り
上海でも深圳でも
二人でよく暴れてました
(特に悪い事はしてませんが)

2006年
僕は、焼肉屋さんの店長として
再び上海の地を踏むことになります
宗さんとは、お別れです
出張で上海に来る時は、連絡が来て
食事に呼ばれ夜の街に同行しました
彼と一緒にいるのは、楽しかったですね

2009年に僕は、蘇州に移りました
2010年には上海に戻ります
その辺りから
会う機会が無くなりました
誕生日には、LINEでメッセージだけは送ってました

宗さんの会社の西本さんとは、
よく電話で連絡を取り合ってました

宗さんが癌に罹って日本で手術をしたと言う連絡が入りました
その後深圳に戻って仕事を始めたと

上海から深圳に出張で行った時に電話したら
あの頃の元気はなく
飲みに出るのも億劫な様子で

結局会えなかった
もう会えないのかと
なんか悲しかったですね


話は、元に戻ります

2015年11月30日深夜
急にお腹が痛くなる
耐えられない痛さが僕を襲って来ました
「宗さん!オレは、アンタに付き合って地獄には行かないよ」
どこまで付き合わせるんだと
マジに思いましたね

その夜彼は、天に召されました

その後も何度か同じ痛みが
数ヶ月に一回
忘れた頃にやって来ました
襲って来る痛みに耐えきれず
上海で病院に行くと
「胆嚢炎」と診断され
手術を受ける必要があると言われました
中国で手術を受けるのも心配だし
お金もいくら取られるかわからないので

2016年4月
大分の実家に一時帰国しました
別府駅で乗り換える時
プラットホームで空を見上げたら
上海の龍がいるような気がしました
あの上海の都市伝説の龍さんです
いつからか忘れましたが
龍は、僕の友人だと思ってました
もっと言えば、守護神‼️
オレの体を案じて上海から一緒に
来てくれたのかなと

市役所に行き保険証をもらい
病院で手続きをして
何日か後に入院して
手術を受け胆嚢を取りました

手術が終わり、ベッドに横たわる
麻酔が切れたのか、痛みが僕を襲う
オイオイ、龍さんよ!どうにかしてくれよ
と呼びかけたら突然

2016年4月14日午後9時26分
熊本地震発生

龍様が地震を起こしたわけではないと思いますが…
あまりのタイミングに
僕の驚きは、他の入院患者とは違ってたでしょうね


2017年11月には
西本さんと箕面にある宗さんの墓に参りました
2021年、2022年も
そして、今年も

「人生は、死ぬまでの暇つぶしや!」

宗さん!
人生を誰よりも楽しんでましたよね、
笑笑