弥山凌ハーフロックタイム

〜凌の気ままな日常〜

ウイスキーをハーフロックで グラスにウイスキーと水を半々に注ぐ 度数も下がって程よく酔っ払う そんな気分で… いくつになっても夢追い人、演者 弥山凌(ミヤマリョウ)の、取り止めもない、よもやま話を今夜も聞いてもらいましょう。

ボクがAV男優と噂された理由。

1997年 深圳で撮影

 

Episode 029

1999年7の月
ノストラダムスの予言通りに
アンゴルモアの大王が舞い降りて来て
世の中に終焉が訪れる頃のお話です
世の中の何割かの人間が信じてたようで
僕の知人も貯金をせずにいたそうです
日本食研の方でしたが…

皆さまもご存知のように!?
その頃、
僕は、広東省深圳に住んでいました
一緒に住んでる中国人の彼女が
(家賃は,彼女が払ってましたが)
とんでも無いビデオを手に入れて来て
家で見ることに
なあんと…
日活ロマンポルノ的映像が
画面上に流れて来ました

主人公が、オナゴ衆を相手に
くんずほぐれつ、
上になり下になりピストン運動を繰り広げる、、全編そんなシーンが続くんです

題名は,「金瓶梅
日本でも知られている
古典ロマンポルノ小説です
中国人なら9割以上の人が知っている
1600年前後に書かれたものです

タイトルの『金瓶梅』は、主人公が関係する3人の女性、潘金蓮李瓶児、龐春梅の名前から1文字ずつ取ったものです。
金瓶梅』は、あの有名な『水滸伝』の武松のエピソードから派生してます

主人公『西門慶(シーメンチン)』は、野心に燃える男で『力の強い者が勝つ』それが彼の人生哲学で、妻を六人持ち、四番目の妻『潘金蓮』は、前は他人の妻だった。
しかし、何事にも飽きっぽい西門慶潘金蓮にうっとうしさを感じ始めると、隣家の花子虚の妻李瓶児にも手を出す。以前から西門慶に興味をもっていた李瓶児は、簡単に落ち六番目の妻になります。
やがて、酒、女、娼薬、麻薬、ありとあらゆる快楽の源が彼の心身をむしばみ始めたのだった。西門慶は薄れゆく意識の中で、地獄をみていた、、、


上海時代、KTVに行って名前を聞かれると、いつも『西門慶(シーメンチン)』と答えた。ウイットを解する子だったら、すぐに「我是潘金蓮、好久不见」
と返してくる。
「私は、アナタのパンチンレンよ。旦那様久しぶりね」
仲良くなるのに、10秒もかからない。後はリラックスして会話が楽しめる。KTVで知り合いになった子は、みんな僕を『西門慶(シーメンチン)』と呼んでいた。
おそらく、50人以上のKTV嬢が、僕をシーメンチンと認識している。

KTV=お客様の隣に女性が座って、接客をしてくれるカラオケのお店、大きい箱だと200人以上の女性が入り口で迎えてくれる。指名して部屋に入る。指名料は,普通の店で300元、飲み代は別料金『ネルトン』『縁結び』『818』などが有名だった。

ここまでが前置きになるんですが…

ビデオを見てからの僕は,
西門慶(シーメンチン)を気に入って
麻雀に誘われると
東西南北(トンナンシャーペイ)の西シャーを切る度に
西門慶シーメンチン、シーメンチン
と何回も叫んでました

その何ヶ月か後に
とんでもない展開が訪れるんです

当時、香港映画に日本人を派遣する方がいて、エージェントみたいな事をやられてまして、僕も自分で用意した宣材写真を渡し演者登録して、CMとか映画に出演させていただいていたのですが、、

当時のボクの宣材写真


ある日突然電話が、かかってきて
香港人の監督が会いたいと言ってるので
近くのレストランに来てくださいと
レストランに着くと撮影部隊がいて
その場でカメラテストが始まり
広いレストランの一角で
カメラを向けられて
「演技をしてください」と要求されました
そんな場面に遭遇することもなく生きて来たので、自分でも納得のいく演技が出来るわけがありません
「今日は、仕方ないわね
又次にチャンスが来るからね」
と言われたのですが
その後ですぐに電話がかかって来て
明日もう一度カメラテストをするから
深圳にある映画村⁈に来てくれと
セリフは、何でもいいから
自分で考えてください
無茶苦茶やなあ!!

行きましたよ、映画村に
中国語でセリフを考えて演技しました
終わったら、スタジオみたいな場所に呼ばれて、先ほど撮影した映像を見せられて、この演技はどうだとかこうだとか
監督が言うわけです
するとエージェントが
「ダメみたいね、又チャンスがあるから」

すると翌日電話が
アナタに決まったので、撮影に来てくださいと
はあ⁈
イヤイヤ、ダメみたいな言い方を何度もされていたではありませんか?

撮影スケジュールは、40日間
ギャラは、主役なのに
日本円で50万円いかない位だったかな?

打ち合わせで香港のスタジオに行くと
香港芸能雑誌会社の人が来ていて
昔風の着物を着せられ、大きな扇子を持たされた僕をカメラで撮るんです、何度もね
後日香港の芸能雑誌
日本人が、西門慶(シーメンチン)をやるんだと載っていたみたいです

台本はと言うと
香港の映画界は、ジャッキーチェンの映画もそうですが
現場でしか渡してくれません。
と言うのも、台本を盗む人がいるんです 
盗んだ台本で先に映画を作ってしまうことがあるみたいです
だから、演者さんは、現場で渡された台本をリハ3回くらいで覚えなくてはなりません

撮影初日、中国語で書かれたものを渡されました
監督が映画の内容を説明する
この映画は、日本の日活ロマンポルノみたいなもので、ストーリー性のある作品です
主役のアナタが六人の女子と『まえばり』をつけて演技します
日本からAVの子が、四人来ます
セリフは、日本語でも英語でも中国語でも構いません

初日は、
『しこりあい』をしてどっちが勢いよく飛んだとか
ホントにシコるわけでは、ありません

二日目は、
日本からAVの子が来て僕とセリフで絡む
二人の掛け合いが
「今日からお前は、西門家の嫁なのだから
云々…
その後も長々とセリフが続く
相手が一言話す
又僕のセリフが始まる、これがまた長いんです。
覚えられんわ!!
はたして、二日でギブアップ
撮影終了
その後この映画が、どうなったのか?
情報は、入って来ませんでした

うまく行ってたら、
香港で有名なAV男優になれてたかもしれません

笑笑

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!