弥山凌ハーフロックタイム

〜凌の気ままな日常〜

ウイスキーをハーフロックで グラスにウイスキーと水を半々に注ぐ 度数も下がって程よく酔っ払う そんな気分で… いくつになっても夢追い人、演者 弥山凌(ミヤマリョウ)の、取り止めもない、よもやま話を今夜も聞いてもらいましょう。

アナタは、豚年?

「難兄難弟」 wikipediaより


Episode  058

過去最高の売り上げだった昨日の話になるのですが…

そんな日にも
中国人らしきカップルが、お店に登場した
年齢的には,50代くらいか、もっといってるかもしれない
お店には,日本語と英語のメニューしかない

京都駅近くにあって、観光客がひっきりなしに顔を覗かせるロケーションにあるのだから、普通に考えて中国語のメニューがあったり、韓国語のメニューがあったりするのだろうが、お店自体にそう言う類のサービス精神が全くなく、状況に応じて外国人観光客の入店を拒否している有様だ。

勿論理由があって、客単価が低くなる可能性があるからだ。
特に平日は,一階しか開けていないので、カウンター席10席、ボックス席8席、合わせて18席しかない。少ない席数で、店のシステムに慣れていないお客様を入れることは,オペレーション的にも問題が生じる。
反対に金曜日と土曜日は,2階席36席もオープンするので、トータルで54席になってしまう。キッチンは,平日同様、二人だけで回してるので、忙しさが半端なく、週末の2日間は,疲労困憊の極致と言ってもいいくらいだ。

はたして二人は,要領を得ないまま、ずっと英語のメニューとにらめっこ状態でオーダーする気配はない
アジア系の観光客なら
Googleかなんかで
スマホで翻訳してオーダーするのだが、
そう言うやり方も知らない感じだ

どうやら、僕の出番のようだ
中国語で話しかける
你想吃什么?
すると、急に笑顔になった
串カツを薦めると
中国語で
海老はどれ?豚はないのか?
他に何を注文すれば、いいのかと
質問して来た

豚は,中国語で「猪肉ツーロウ」
海老は,「虾シャー」
ハムは、「火腿フオトイ」

結局,二人が食べたいものを入れて、適当に10本選んであげた
それと,日本酒の熱燗をオーダーしてくれた
カウンターから観察すると、楽しげに会話をしていた

さあ、ここで気づかれたかもしれないが
何故豚が、中国語では猪肉になるのか?


話は,過去に遡る
中国の広東省深圳にいた頃
1997年4月3日から仕事がなくなり、
貧乏生活を数ヶ月味わった

住む家もなく、中国の友人Fに頼んで探してもらった(Episode45に登場した彼女です)
見つかったアパートは、間借りで400元(約6,000円)


深圳市の党校と言う場所に
香港人の旦那がいる20代の人妻と3歳くらいの女の子と身の回りの世話をする親戚の20代の女性が、3人で2LDKに住んでいた
そのアパートにFと出向き、
不思議な話なのだが、僕は,その一室に住まわせてもらうことになった

僕を合わせて四人の同居生活が始まった
仕事もなく時間を持て余していた僕は,トイレやバスルームやリビングの掃除を毎日のようにやった
リビングには,テレビがあったので、毎日のように鑑賞した
勿論、日本のテレビなどやってるはずもなく、香港、中国のテレビドラマを中国語字幕で見るしかなかった
香港のテレビドラマ『難兄難弟』は,中国語をあまり理解していない僕でも興味深い内容だった
香港芸能界が舞台で、
1992年に香港で上映された映画のテレビ版だった
最終回で兄貴役のセリフに心を動かされた
他のドラマは,面白くなかったが、中国語の勉強にはなった

ある日テレビを見ていると
干支の十二支に関係するCMが、画面上に流れた
普通なら12番目に来るのは,猪ですよね
豚が代わりに登場したので
思わず笑ってしまった
ギャグなんだろうと思った

NHK for schoolより

後で知ったんですが、ギャグじゃなかったんです
十二支の最後に登場するのは,正しくは、豚なんですよ
猪は,イノシシではなく、豚なんですよ
日本での使い方が、間違ってるんですよ
イノシシは、中国では,野猪と言います

十二支の文化も、漢字も
中国から伝わって来たものです

猪年の方に怒られるかもしれませんが、

アナタは、豚年なんですよ

 

今日は,この辺で

再见!

追記;
奇妙な同居生活2ヶ月目に3歳の娘さんは,香港の旦那さんの家に引き取られ、親戚の女性は,田舎に帰り、僕と若い人妻との二人だけの生活が始まった
彼女の旦那さんは,タクシードライバーで1ヶ月に2回週末に家に訪れた
僕の顔を見ると
「いつも家を綺麗にしてくれて有難う」
と英語で話しかけてきた